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教師の方へ

この問題集の構成意図

　この問題集は、現行の「日本留学試験」の記述問題に準拠しています。しかし、まだ始まって間もないこともあり、内容的な妥当性などは検討を要するものと思われます。特に「アカデミック・ジャパニーズ」に対して必ずしもコンセンサスが取れているとは言えず、今後どのような扱いをしていくべきかが大きな課題となるでしょう。従って、この問題集では、現行の形式を主体としながらも、公開されている他形式の問題も採り入れました。また、トピックは、比較的答えやすいものから実際の大学入学試験などで問われているような最新の話題までを難易度順に取り上げ、その対策にもなるよう意図しました。解答例を御覧になるとおわかりのように、語彙や言い回しも上級レベルのものにしてあります。

　特にこの問題集では、「パターンマスター」を意識しています。パターン通りに枠が設定できれば、あとは自分の意見をいかに組み込むかだけとなります。採点基準から考えても、パターンをマスターすることは、書きやすく、わかりやすい文章への近道と確信しています。

この問題集の使い方

　記述問題は、実際に学習者に書いてもらい、それを添削、フィードバックする、というのが基本的なやり方になるようです。自習はかなりできる学習者でも難しいようです。しかし、この問題集は、「パターンマスター」を主眼とし、解答例を全問添付したことで、先生方の添削の手間も随分と軽減できるのではないかと思われます。また、「実践編」の例題で扱っていますように、学習者が自分で自分の文章を添削できるようにも意図していますので、学習者自身が、また学習者同士が相互にチェックするなどして、御活用いただければ幸いです。

　中級レベルからお使いになる場合には、まず解答例を読解として導入してから、自分たちの意見を書いてもらうといいでしょう。ディベートの素材としてお使いいただき、ディスカッションの後で、自分の意見をまとめてもらう、という使い方も有効だと思います。