なかなか言いたいことが思うように言えない、言えたとしても相手の返答が何を言っているのか理解できず、会話を続けるのが難しいという方は多いのではないでしょうか? 本書では、そういう方々が日常英会話を楽しんで学習できるよう、また、最終目標として「話す英語」をマスターできるよう、工夫を凝らしています。
「話す英語」つまり「TPOに応じて、適切な表現が英語でスムーズに口をついて出るようにすること」を身につけるためには、「対話文」で学習することが非常に重要です。そのため、本書では全編を通してインデックス付きの厳選した対話文例を挙げています。
◆「対話文」で学習すると英語は頭に入る◆
ちまたでは、単文の文例がずらりと並んだ「自分の話したいことだけ載った文例集」をよく見かけます。しかし、この形式で勉強したとして、言いたいことは言えたとしても相手の返答は何を言っているのか一向に理解できないまま、一方通行です。また逆に、相手が話しかけてくることに対して自分がどう返答すればよいのかわからずまごついてしまい、気まずい雰囲気が漂う……ということが、実はよくあるのではないでしょうか。
このように、コミュニケーションというのは、相手が何を話しているかお互い理解できないと成り立たないものです。そこで「対話文」での学習が重要となります。話し手・聞き手双方の文例に触れるので、言いたいことが言えるようになるだけではなく、応答も覚えられます。付属のCD音声を聞く際にも、そのどちらにも注意が向き、丸ごと聞き取れるようになり、相手の言っていることがわかりはじめ、だんだんスムーズに会話できるようになります。
これが、本書のタイトルにもなっているように、対話で覚えると「聞く力・答える力が同時に身につく」ということなのです。
◆「厳選した文例」とは?◆
基本的なこととして、実用的な口語英語であること、そして頻繁に使われる英語表現を厳選しています。また、なるべく簡単にマスターするために、適切な短い文例から成り立っています。
以上を基本としたよく使う表現はもちろんのこと、米国など英語圏の文化に即した文例も厳選しています。海外ではあらゆる場面で、自分の意見や考えを述べる必要性が出てきます。このため、少しネガティブな表現(「嫌だ」とか「つまらない」とか)で、自己主張しないといけない機会もあるでしょう。そのような、日本では適当に濁してしまいそうな文例も掲載してあります。例えそれを実際に言うことはなくても、言われる可能性は否定できず、本書に触れていれば、そんなときにも躊躇しないで対応できるようになります。スムーズなコミュニケーションに必要不可欠なことでしょう。
本書での学習が、皆さまの英語でのコミュニケーションを豊かにする起爆剤になりうると信じ、生きた英語の習得にお役に立つことを願ってやみません。
